2018.05.02
成蹊大学メディア・リテラシー演習記録 第3回 2018/04/27
演習3回目となる今回は、「目の見えない人はどのように生活しているか」というテーマに沿って番組企画を構想するにあたり、どんな視点や発想が可能かを考えていきます。
まず久保田ディレクターから資料2点が配られました。ひとつは、民放で放送される24時間テレビで障がい者が取り上げられますが、その内容をめぐって湧き起こった議論についての新聞記事。もうひとつは雑誌記事で、ラジオ番組の原稿を書く現場記者の体験談。どちらも番組企画を練るにあたってのヒントがたくさんありそうです。
つづいて前回出された宿題、『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(伊藤亜紗著)を読んで、「発見」したこと、「納得」したことについて、学生が順番に発表しました。同じ本を読んでも十人十色で、興味や関心をもつポイントは人それぞれです。他の人の発表を聞き、「そうか、そんな考え方もあるのか」と、互いに刺激しあって、発想をどんどん広げていってほしいですね。
さて4限の時間には、成蹊大学理工学部の大倉元宏先生にお越しいただきました。大倉先生のご専門は人間工学で、とくに視覚障がい者の支援に関する研究を長年つづけてこられました。たとえば駅のホームドア。昨年も視覚障がい者の方の転落事故で大きな注目を集めましたが、こうした事故はいくつも起こっているそうです。大倉先生はそれらの事例を集めて、「視覚障がい者の駅プラットホームからの転落事例データベース」も公開されています。このようなご専門の立場から、学生のさまざまな疑問に答えてくださいました。ホームドアだけでなく、盲導犬の話、ブラインドサッカーの話など、いろいろなお話を伺うことができました。もっと質問したい、というところでしたが、時間が迫ってきてしまいました。大倉先生、ありがとうございました。
最後に、見城先生から宿題が出ました。今回は2つあります。番組企画書の作成と、番組の合間に放送するCM原稿の作成です。CM原稿用には、むさしのFMの現場で実際に使用している特製の原稿用紙が配られました。これで学生たちも、立派にラジオ局関係者の仲間入り?です。本当に放送するんだというリアリティを、すこしずつ感じるようになってきましたね。宿題はどちらも大変ですが、次週はゴールデンウィークでお休みのため、次の演習は2週間後です。これまで学んだことを踏まえつつも、それにとらわれない自由な発想をみせてください!(石堂彰彦)